マニュアル翻訳虎の巻

10月2013

10.30

日経産業新聞 10/29 コラム 「マニュアル NOW」より

日経産業新聞に随時掲載されるコラム「マニュアル NOW」は、我々にとってとても参考になるコラムです。いつも興味深く拝読しています。電子版がないのでリンクできないのが残念ですが。

 

10/29 の同コラムで、テクニカルライターの高橋慈子さんが寄稿しています。

いくつかのポイントを挙げて書いていらっしゃるのですが、その中で、某健康機器メーカーの製品を購入し使い始めたが、使用方法が判らず、マニュアルを見ようとしたら、マニュアルは「スタートアップガイド」と「取扱説明書」に分冊化されており、自分の知りたい情報はどちらのマニュアルを参照すればよいのか判らなかった、というトピックスを紹介されていました。

 

これは、マニュアルを企画・設計する上で、とても基本的かつ重要なポイントです。

ユーザーがある製品を買った時、まずマニュアルを一から熟読するというユーザーは極めて稀でしょう。おそらくほとんどのユーザーは、まず製品を使い始め、そして設定方法や使用方法が判らなくなった時に、マニュアルを手に取って初めて開いてみるものではないでしょうか。

 

だとすれば、一冊のマニュアルであるか、分冊化されているマニュアルかを問わず、「ユーザー(マニュアルの読者)が知りたい情報が、どこに記載されているか」が判りやすい場所に、明確に示されているかどうかは極めて重要な事だと思います。

10.26

取扱説明書・マニュアルの形態について <電子マニュアル>

電子マニュアルにも様々な種類がありますが、電子マニュアルの採用や種類を検討する際に最も重要な着目点は、提供方法でしょう。一般的に、以下のような電子マニュアルの提供方法が考えられます。

 

●本体内蔵型

パソコンやスマホなど、本体にハードディスク等のメモリーを内蔵しており、本体内のメモリーに電子マニュアルを内蔵する事ができる製品の場合。本体に電子マニュアルの画面表示機能がある製品なのかどうか、また、電子マニュアルを表示、閲覧しながら本体の操作を行えるのかどうかなどの検討、対策も必要です。

 

●CD-ROM、DVD などのメディアで提供する方法

デジカメやプリンター等の多くはドライバーをインストールする為の CD-ROM や DVD ディスクが製品に添付さるケースが一般的で、電子マニュアルも同メディアに同梱し提供する事ができます。

 

●Web ベース

本体内蔵でもなく、CD-ROM/DVD などのメディアで提供する事も出来ない場合は、ユーザーに Web サイトにアクセスしてもらい、Webサイト上で閲覧もしくはダウンロードしてもらうWeb ベースでの提供方法もあります。コマンドのリファレンスガイドなど、大量ページのもので紙マニュアルにするとコストが高くなってしまうものや、オンラインヘルプと呼ばれるヘルプファイルなども Web ベースで提供されるのが一般的になってきています。オープンな環境で公開するのか、登録されたユーザーがログインしてきた場合にのみ閲覧、ダウンロードできるようにするのかなど、電子マニュアルの機密性により検討します。

10.23

取扱説明書・マニュアルの形態について <紙マニュアル>

取扱説明書・マニュアルの形態について考えてみましょう。

まず、紙に印刷されているマニュアルについて述べてみます。

 

以前は、分厚いマニュアルが何冊も付いているような製品もありましたが、最近では、コストダウンの観点から、紙マニュアルはページ数を最低限なものにしているのが一般的です。

 

「スタートアップガイド」、「セットアップマニュアル」などと呼ばれている、最小限のページ数の紙マニュアルですが、主に下記のような内容が記載されています。

 

●PL法(製造物責任法)に則った、安全な製品の使い方に関する記述

●初期設定、セットアップの方法

●トラブルシューティング

●故障時のサービス窓口案内 

 

など

 

製本の形状は、中トジにしているものや、1枚の用紙に印刷して、折りたたんであるものなどが一般的です。

 

どうしても電子マニュアルが提供できず、すべての取扱方法を紙マニュアルで提供する為、ページ数が多くなってしまう場合には、「基本編」、「応用編」などのようにユーザーのレベルやマニュアルの用途に応じて分冊化する事も検討すべきです。

 

 

10.22

取扱説明書・マニュアルの読者を想定しましょう。

取扱説明書(マニュアル)作成の企画・設計を行う際には、先ず、どんなユーザーがそのマニュアルを手に取って読むのかを想定しましょう。

デジカメ、スマホ、パソコンなど、どんな製品でも、初めて購入するユーザーと、過去に何台か購入して使用しているユーザーとでは、製品に対する知識が違います。

マニュアルを手にするユーザーのレベルによって、その目的も違うでしょう。

 

・初級レベルユーザー: まず設定・セットアップを行う事ができ、基本的な使い方が出来るようになりたい。

・中級レベルユーザー: 基本的な使用方法は知っている。さらにその製品特有の新機能などを知りたい。

・上級レベルユーザー: 高度な機能のリファレンス的な使用目的でマニュアルを見る。

 

読者を想定する事によって、マニュアルの形態や書き方なども変わってきます。

 

また、「ペルソナ」と呼ばれる手法で、マニュアルを読むユーザーの人物像(年代、性別、家族構成、ライフスタイルなど)を設定して、企画・制作する方法もあります。

もちろん、「ペルソナ」で想定されている人物像と違うユーザーも製品を購入しマニュアルを手にする可能性も当然あるので、そういった点も配慮する必要がありますが。